木漏れ日の散歩道

子育て卒業。日々の暮らしのあれこれと思うこと

あの日から1年-意識の戻らない義母

こんなお天気の日は、物想いに耽りがちです。
降り続く雨を見ながら、昨年の今日のことを思い出していました。
あれからもう1年経つのだな…と。

昨年の11月17日の午後、義母は突然意識を失ったのです。
その日の午前中には、私と電話で話をしていました。
こちらから送ったコートが、義母の思っていたものと違っていたようで、再度送ってほしいという依頼でした。
コートの特徴を詳しく聞き、『間違って送ってしまってごめんなさい💦』と謝る私に、『いえいえ、私の説明不足よ~。お手間かけさせて悪いわね』と。

昨年の6月に義父と一緒にホームに入ったときには、表情も感情もあまりなくて、言葉もはっきりしなかった義母。
体調を崩していた一昨年の秋には、心が痛くなるような言葉を私に向けたりもしていました。

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その義母が笑い声を上げたり、はっきりとした言葉でニュースを見て文句を言ったり、息子たちの様子を聞いてくれたり、毎日のアクティビティの様子を話してくれたりするのが本当に嬉しくて、結構長くおしゃべりした覚えがあります。
ホームに入居したときには車椅子だったのが、もうすぐ杖で部屋から出て歩けると喜んでいました。
お部屋の中では、短距離なら杖を使わなくても移動できるとも。

その日の午後には、要望どおりのコートを発送したのですよね。
義母が倒れたという連絡が入ったのは、同じ日の夕方でした。
午後からいつもどおりにバーを使って歩いたり、杖で歩く練習をしたり、ボールを使ったリハビリをしたりしたのだそうです。
義父より先にリハビリが終わったので、ひとりで自室に戻ると言ってリハビリ室を出たときには普通だったと義父は言います。
ただ、少し疲れたと言っていたそうですけれど。

リハビリの後でしたので水分を…ということで、ホームのスタッフの方がお茶をお部屋に届けてくださったところ、義母は椅子に座ったまま意識を失っていたのだそうです。
そこまでは自力で戻ったということですよね。
話しかけても全く反応はなく、血圧がとても高い状態ということで、救急車を要請したという時点で夫のところにも連絡が入ったのでした。

義父からの電話では、病院が決まったら連絡するとのことでしたけれど、私たちは少しでも早く近くまで行こうと車でホーム方面へ出発。
車の中で、救急車に同乗中の義父と私が連絡を取り合いました。
本当に命が危険な状態だとの義父からの話に、夫も私も言葉を失いました。
あいにく夕方のラッシュ時に当たってしまい、しかも搬送された病院はホームから少し遠くて方向も異なっていて、思ったより時間がかかってしまいました。

病院へ着くと、たまたま仕事で近くにいて先に着いていた義弟と義父がお医者さまからの説明を受けていました。
脳内出血とのことでした。
血液サラサラのお薬を服用していたこともあり、出血がかなり広範囲に及んでいて意識を失ったということです。
以前から義母本人の意思を聞いていましたので、延命のための積極的な手術や治療はしないということに決めて、開頭手術も受けませんでした。
意識が戻ることはもうないとはっきり宣言され、信じられない思いの私たちでした。

iPad越しに短時間の面会をすることができましたので、後から到着した義妹も含めて5人みんなで声をかけました。
義母はそのままICUに入院、そこで3週間ほどを過ごすことになります。

帰宅途中の車の中から、長男と次男にも連絡をしました。
特に長男は10日ほど後に結婚式と新婚旅行を控えていましたので、私たちとしてもとても辛い報告でしたけれど、何も伝えないわけにはいきません。
甥や息子たちの憔悴と動揺は激しくて、義弟夫婦や私たち夫婦も驚くほど…。
幼い頃から、本当に大切にしてもらってかわいがってもらった祖母ですから、当然と言えば当然なのです。
改めて、祖母としての愛情の深さを感じずにはいられませんでした。

帰宅が遅くなってしまったので夕食用にと、コンビニで買ったサンドイッチも私の喉を通らなかったのが、つい最近のことのようです。

あれから1年が経ちました。
倒れて数日は、すぐにも命が危険だと言われていた義母の容態は安定しています。
最初の頃は本当にただただ眠っているだけのように見えた義母、もう目を開けることがないとか、声を発することもないとか、意識が戻ることはないと言われても、信じられませんでした。

2度目の転院をして、義母は今、療養型病床のある病院に入院しています。
最近では目を開けてキョロキョロしていることもあるそうです。
看護師さんのお話では、耳も聞こえているのではないかとのこと。
義父がひ孫の写真を見せたりすると、見えているような気がすると言います。

義母の中ではどんな時間が流れているのでしょう?
周りからの声かけは聞こえているのでしょうか?
何か考えていたりするのでしょうか?
私たちはただ見守ることしかできないのですね…。

あんなに降っていた雨は、午後には上がりました。
天気予報どおり。
義母に電話をして『おかあさま、雨が上がりましたね。今日はお散歩ですか?』と話をしたいです。

 

 

 

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