新卒で就職した会社のグループ長(課長)。
社員をとても大切にする方でした。
面倒見もよくて、グループ内はいつも和気あいあいとしていました。
仕事に関してはみんな真剣で厳しくて、さまざまな指摘やアドバイスが飛び交う職場。
その中にも、お互いをサポートし合う雰囲気がありました。
先輩から後輩へ、同期どうし、それぞれに強力なサポート関係があって、居心地のよい環境でした。
若い社員が多かったこともあり、大学の延長のようなところもあったなぁ。
多くが20代前半というグループを統括するのは、大変だったと思います。
でも思い出すのは、優しい眼差しばかりです。
時に厳しく注意を受けたとしても、最後は必ず笑顔を向けてくださいました。
上司に恵まれていたと思います。
入社2年目のグループ旅行の時のことです。
…当時は、まだ社員旅行やグループ旅行という行事が存在したのですね。
親睦を深めるためということで、私たちのグループは年に2回旅行に行っていました。
その日は課長が運転される車に乗せていただいて、房総方面へ向かっていました。
同乗している4人での会話も弾み、楽しいドライブでした。
ある会話の流れから、課長がこうおっしゃったのです。
みんな、何か困ったことがあったら、
必ず僕に相談してくださいよ
僕は、みんなの親代わりのつもりなのですから(*^^*)
そして続けて、こうも言われました。
特にカモミールさん、
僕のことを東京のおとうさんだと思ってください
心配ごとや心細いこと、何でも話してください
グループ内で唯一ひとり暮らしをしていた私のことを、ことのほか気にかけてくださっていたのだと思います。
親元離れての生活に、親心を感じてくださったのでしょう。
本当に心強かったのを覚えています。
でも今思うと、当時の課長はまだ40歳を過ぎたばかりの頃です。
あんなに大きく頼もしく見えたのに…。
私が結婚するときも、とても喜んでくださり、披露宴にも出席してスピーチしてくださいました。
昨日のことのようです。
長男を出産後に退職しましたけれど、何年かに一度はグループの飲み会などに参加してお目にかかっていました。
定年退職のお祝いにも出席した覚えがあります。
今年もお年賀状をいただき、喜寿を迎えられると書いてありました。
あぁ、もうそういうお年なのね…と思いつつ、18歳違いの私も還暦間近なのだから、そうだわね~などと思っていたものです。
昨日。
1通の喪中はがきが届きました。
一瞬、見覚えのない差出人…?と思いました。
よく見ると、課長の奥様でした。
課長が10月に77歳で亡くなられたとのこと。
私にとってはあまりに突然のことで、しばらくどういうことか理解できず、呆然としてしまいました。
すぐに、まだ会社に在籍している後輩に連絡を取ってみました。
彼女によると、体調を崩されているということは先輩から聞いていたということでした。
でも亡くなったことは知らなかった…と、ショックを受けていました。
きっと、静かに見送られたのでしょうね。
今日になっても、まだ信じられない思いです。
ずっと昔になってしまった、当時のことをあれこれ思い出しては懐かしさと寂しさを噛み締めています。
課長のご自宅と私の実家が比較的近いことを知り、『たまには遊びに来てください』と言ってくださっていたのに、それはかなわないままでした。
最後にお会いしたのは、いつだったでしょうか。
まだお目にかかれると思っていました。
東京のおとうさん。
本当に残念です。
寂しいです。
もっとお会いしたかった…。
短い在籍期間中に、たくさんの愛情をいただいたと感謝しています。
ありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
いつもありがとうございます
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